2025年12月6日

耐震等級2相当とは?認定の違いやメリットを解説

家づくりにおいて、地震への備えは重要な要素の一つです。
建物の耐震性を評価する指標である「耐震等級」は、その中でも特に注目されるポイントと言えるでしょう。

 

特に、等級に「相当」という言葉が付く場合、実際の性能や法的な扱いに違いがあるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。
ここでは、耐震等級2の基本的な性能から、認定の有無による違い、そして家づくりにどのようなメリットをもたらすのかを解説します。

 

 

耐震等級2とはどのようなものか

 

 

耐震等級2は、地震に対する建物の強度を示す指標の一つで、国が定めた住宅性能表示制度によって明確に位置づけられています。
この制度における耐震等級1は、建築基準法で定められた最低限の耐震性能、すなわち数百年に一度発生するような巨大地震(震度6強から7程度)に対しても、建物が倒壊・崩壊しないことを基準としています。

 

耐震等級2は、この等級1の基準をさらに上回る性能を持ち、等級1で想定される地震力の1.25倍に耐えられる設計が求められます。

これは、具体的には、より大きな揺れや、繰り返し襲ってくる地震に対しても、建物に損傷は受けるものの、人命を守るために最低限必要な倒壊・崩壊を防ぐことを目的としています。

 

さらに、震災時などに地域住民の避難場所や一時滞在施設として指定される学校や病院、庁舎といった公共建築物にも求められる耐震性能と同等レベルであるため、高い安全性が確保されていると言えます。
この制度は、住宅購入者が建物の性能を容易に比較・理解できるようにすることを目的としています。

 

 

耐震等級2相当と認定の違いは何か

 

 

「耐震等級2」という表示と「耐震等級2相当」という表示は、一見すると似ていますが、法的な効力や信頼性において決定的な違いがあります。
耐震等級2として正式に認定されるためには、建築物に関する専門知識を持つ第三者機関、例えば指定された住宅性能評価機関などが、設計図書や実際の建築物に対して厳格な審査を行います。

 

この審査をクリアし、住宅性能評価書といった公的な証明書が発行されて初めて、「耐震等級2」としての正式な評価が与えられます。

 

これに対し、「耐震等級2相当」という表現は、図面上の設計段階では耐震等級2と同等の耐震性能を有していると見込まれるものの、前述したような第三者機関による客観的な審査や、それに伴う正式な認定手続きを経ていない状態を指します。

 

つまり、設計者の判断や計算に基づいているものの、公的な証明がない状態です。
このため、法的な基準や保険、補助金などの制度においては、正式な認定を受けていない「相当」の状態では、あくまで建築基準法で定められた最低限の耐震性能である耐震等級1として扱われることになり、等級2としての優遇措置を受けることができません。

 

 

耐震等級2の家を建てるメリットは何か

 

 

耐震等級2の家を新築または購入することは、居住する家族の安全・安心という最優先事項に加え、様々な経済的なメリットをもたらします。
最も分かりやすく、かつ大きなメリットの一つが、地震保険料の割引です。
耐震等級2の正式な認定を受けている建物は、地震保険の保険料が、等級1の建物と比較して約30%割引される場合があります。

 

この割引率は、損害保険料率算出機構が定める基準に基づくもので、住宅性能評価書などの証明書類がなければ適用されません。

 

さらに、耐震等級2の認定は、住宅ローン制度や税制上の優遇措置とも深く関連しています。
例えば、一定の基準を満たす耐震住宅は、住宅ローン控除の対象となる期間が延長されたり、金利面での優遇を受けられたりする場合があります。

 

また、長期優良住宅の認定基準にも耐震性が含まれているため、耐震等級2を取得することで、長期優良住宅としての認定も受けやすくなり、結果として固定資産税の減税や、親から子への住宅取得資金贈与における非課税枠の拡大といった、長期的な視点での経済的メリットを享受できる可能性が高まります。

 

加えて、地震に対する強さが明確であることは、将来的にその家を売却する際にも、資産価値を高く維持するためのプラス要因となることが期待できます。

 

 

耐震等級2の認定を受けるにはどうすれば良いか

 

 

耐震等級2の認定を正式に受けるためには、いくつかの具体的な手続き方法が存在します。
最も一般的な方法の一つは、国土交通省に登録されている第三者機関である住宅性能評価機関に申請し、専門家による審査を経て「住宅性能評価書」を取得するルートです。

 

この評価書には、耐震性だけでなく、断熱性や省エネ性など、住宅の様々な性能が記載されます。
この申請には、評価機関や建物の規模、評価項目によって異なりますが、一般的には10万円から20万円程度の費用を見込む必要があります。

 

また、長期にわたって安全で快適に暮らせる質の高い住宅であることを証明する「長期優良住宅」の認定制度があります。

 

この長期優良住宅の認定申請と同時に、耐震等級の評価も依頼することが可能です。
これにより、申請手続きを一本化でき、効率的に進められます。
この場合の総費用は、諸費用を含めて40万円程度になることもありますが、長期優良住宅として受けられる税制優遇措置(固定資産税減税など)や補助金制度と合わせて検討すると、総合的なメリットは大きくなるでしょう。

 

さらに、住宅金融支援機構が提供する長期固定金利住宅ローン「フラット35S」を利用する際に、一定の省エネ性能や耐久性、バリアフリー性能などに加え、耐震性に関する基準を満たしていることを証明する「適合証明書」を取得する方法もあります。

 

この適合証明書は、フラット35Sの金利優遇を受けるために必要ですが、この証明書の発行プロセスを通じて、実質的に耐震等級2(またはそれに準ずる性能)の認定を受けることにつながります。
この方法では、比較的安価に認定を取得できる場合があり、住宅ローンの負担軽減という直接的なメリットも享受できます。

 

どの認定方法を選択するかは、予算、住宅ローンの利用計画、そして将来的にどのようなメリットを最も重視するかによって、最適な選択肢が変わってきます。

 

 

まとめ

 

 

家づくりにおける耐震等級2の重要性は、単に建築基準法で定められた最低限の基準(等級1)を上回る、その1.25倍の地震力に耐えるという性能面だけでなく、公的な施設と同等の安全性を確保することにあります。

 

ここで最も肝要な点は、耐震等級2としてのメリットを享受するためには、「耐震等級2」として第三者機関による正式な審査と認定を受けることが不可欠であるということです。
単に設計図面上で「耐震等級2相当」と記載されているだけでは、法的には耐震等級1としての扱いとなり、地震保険料の割引や税制上の優遇措置といった、具体的な経済的メリットを享受することはできません。

 

正式な認定を取得することによって、地震保険料の大幅な割引(約30%)や、住宅ローン控除の延長、固定資産税の減税、贈与税の非課税枠拡大など、多岐にわたる経済的な恩恵を受けることが可能になります。
認定を取得するための方法としては、住宅性能評価書、長期優良住宅認定、フラット35S適合証明書の発行など、複数の選択肢が存在し、それぞれに申請にかかる費用や、得られるメリットの種類・規模が異なります。

 

ご自身の家づくりにおいて、どのようなリスクに備えたいか、どのような経済的メリットを重視するか、そして予算はどの程度かといった点を総合的に考慮し、最もご自身に適した認定方法を選択することが、将来にわたって安心で経済的な住まいを実現するための鍵となります。

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