中古住宅の住宅ローン控除に築年数制限はあるか?新耐震基準との関係を解説
住宅購入の際、大きな節税効果が期待できる「住宅ローン控除」。
新築だけの制度だと思われがちですが、中古住宅であっても一定の条件を満たせば利用可能です。
手頃な価格が魅力の中古住宅で、さらに税負担も軽減できれば、家計にとって大きな助けとなります。
ただし、新築とは適用条件や控除内容が一部異なるため、事前の確認が不可欠です。
この記事では、中古住宅で住宅ローン控除を受けるためのポイントを分かりやすく解説します。
中古住宅も住宅ローン控除の対象になる
結論として、中古住宅も住宅ローン控除の対象です。
住宅ローンを利用してマイホームを取得し、要件をクリアすることで、年末のローン残高に応じた金額が所得税等から控除されます。
ただし、どのような中古物件でも無条件で受けられるわけではありません。
「どんな物件か(建物)」「どのようなローンか(資金)」「誰が借りるか(人)」という3つの側面で審査が行われます。
築年数制限はある?2022年改正のポイント
中古住宅を検討する際、最も気になるのが「築年数」ではないでしょうか。
実は2022年度の税制改正により、このルールが大きく変わりました。
築年数の要件は事実上の「撤廃」
以前は「木造20年以内」「マンション(耐火)25年以内」という厳しい築年数制限がありました。
しかし、2022年の改正でこの制限は撤廃されました。
これにより、築古物件であっても控除を受けられるチャンスが大きく広がっています。
重要なのは「新耐震基準」への適合
築年数制限の代わりに必須となったのが、「新耐震基準」に適合していることです。
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1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅であれば、原則として新耐震基準適合とみなされ、そのまま対象となります。
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それ以前の建物でも、現行の耐震基準を満たしていることが証明(耐震基準適合証明書など)できれば対象となります。
新築とここが違う!控除額と期間
「新築」と「中古」では、控除される金額の上限や期間に違いがあります。資金計画を立てる際は、以下の点に注意しましょう。
借入限度額(控除対象の上限)が低くなる
一般的に、中古住宅は新築に比べて控除の対象となる借入限度額が低く設定されています。
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一般の中古住宅: 借入限度額 2,000万円(※残高の0.7%が控除等の計算へ) ※新築の認定住宅などはこれより高い上限が設定されますが、一般的な中古住宅の場合はこの枠が適用されることが多いです。
期間は原則10年(例外あり)
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一般の中古住宅: 控除期間は10年間です。
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買取再販住宅: 不動産会社がリフォーム等を行って販売する特定の物件(買取再販)の場合、新築同様に13年間となるケースがあります。
必ずチェックしたい適用条件リスト
中古住宅で住宅ローン控除を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
【物件の条件】
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新耐震基準に適合していること(昭和57年以降建築、または耐震証明があること)
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床面積が50㎡以上であること
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※年間所得が1,000万円以下の場合は、40㎡以上50㎡未満でも対象となる特例あり。
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【人の条件】
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合計所得金額が2,000万円以下であること
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引渡しから6ヶ月以内に入居し、その年の12月31日まで居住し続けていること
【ローンの条件】
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返済期間が10年以上の住宅ローンであること
まとめ
中古住宅でも、2022年の改正により築年数に関わらず「新耐震基準」を満たしていれば、住宅ローン控除を活用できるようになりました。
しかし、新築に比べて「控除の上限額が低い」「期間が原則10年」といった違いがあります。また、床面積や所得制限などの細かい要件もクリアしなければなりません。
物件探しの段階から「この物件は住宅ローン控除の対象になるか?」を不動産会社に確認し、賢く制度を利用して、お得にマイホームを手に入れましょう。