土地購入の資金計画における落とし穴とは?予算オーバーを防ぐ方法
家づくりへの夢を膨らませ、まず土地探しから始める方は少なくありません。
しかし、その一歩が思わぬ落とし穴につながることも。
土地の購入費だけでなく、建物、そして見えにくい諸費用まで含めた全体像を把握しないまま進めてしまうと、理想の住まいが遠のいてしまう可能性があります。
ここでは、土地購入と資金計画でよくある失敗とその回避策について解説します。
土地購入で陥る資金計画の落とし穴
予算配分を間違えると建物にお金が残らない
家づくりを進める上で、土地にかけられる予算を先に決めてしまうと、残りの資金で建物や諸費用をやりくりすることになります。
しかし、「建物代=坪単価×床面積」という単純な計算だけでは、実際にかかる費用を把握できません。
結果として、建物に十分な予算を確保できず、理想の家づくりが難しくなってしまうケースが少なくありません。
諸費用を見落とし総額を把握できない
家づくりにかかる費用は、土地代と建物本体価格だけではありません。
登記費用や税金、火災保険料、引っ越し費用といった「諸費用」も発生します。
これらは総予算の1割程度になることもあり、見落とすと資金計画が大きく狂う原因となります。
特に、地盤改良が必要になった場合などは、数十万円から百万円以上かかることもあり、注意が必要です。
土地代にかけすぎると後悔する家になる
土地に予算をかけすぎてしまうと、建物や外構工事、内装の設備などに十分なお金をかけられなくなります。
断熱性や耐震性といった家の性能、収納の充実、デザイン性などに妥協せざるを得なくなり、「もっとこうしておけばよかった」という後悔につながりかねません。
最初から理想の家づくりに必要な予算を確保しておくことが大切です。
資金計画書にある見えない経費とは
オプション費用が別途かかる場合がある
住宅会社によっては、カーテンや照明器具といった、生活する上で必要不可欠なものを「オプション費用」として、本体価格とは別に提示する場合があります。
これらは、見積書に含めると本体価格が上がってしまうため、別途扱いとされることがあります。
しかし、最終的な総額をきちんと説明しない業者にあたってしまうと、当初の見積もりよりも支払額が大幅に増えてしまうという事態になりかねません。
内訳不明な諸経費に注意する
資金計画書には、現場経費、運搬費、地盤調査費、火災保険料、労災保険料など、一見すると何にいくらかかっているのか分かりにくい経費が含まれていることがあります。
これらは住宅会社が計上する経費であり、本体価格を安く見せるために別途計上している可能性も考えられます。
これらの経費については、その都度、内訳や妥当性をしっかり説明してもらうようにしましょう。
カーテン照明器具は予算に含める
カーテンや照明器具は、快適な住まいには欠かせないものです。
これらは、そのグレードや種類によって費用が大きく変動しますが、一般的には40坪程度の家で数十万円から百万円程度かかることもあります。
こうした必須のアイテムは、後々追加で費用がかさむことを防ぐためにも、当初の資金計画にしっかり予算として含めておくことが賢明です。
失敗しない土地と資金計画の立て方
総予算から逆算して土地代を決める
家づくりを成功させるためには、まず最初に「総予算」を明確にすることが重要です。
そして、その総予算から、建物本体の費用、そして登記費用や税金、外構工事などの諸費用、さらにカーテンや照明器具といったオプション費用を差し引いて、土地にかけられる上限額を決定します。
この逆算方式で土地代を決めることで、予算オーバーを防ぎ、計画的な家づくりを進められます。
建物と諸費用に十分な予算を確保する
理想の家づくりを実現するためには、建物本体だけでなく、諸費用にも十分すぎるほどの予算を確保しておくことが大切です。
諸費用は総予算の1割程度を見込むのが一般的ですが、地盤改良など予期せぬ追加費用が発生する可能性も考慮し、余裕を持った計画を立てましょう。
建物にしっかり予算を充てることで、性能やデザインに妥協せず、満足度の高い家づくりが可能になります。
資金計画と事前審査を先に済ませる
良い条件の土地は、市場に出てもすぐに売れてしまうことが少なくありません。
そのため、希望の土地が見つかった際に、すぐに購入の意思表示ができるよう、事前に住宅ローンの事前審査を済ませておくことが推奨されます。
資金計画と事前審査を完了させておくことで、チャンスを逃すことなく、理想の土地を手に入れやすくなります。
まとめ
家づくりにおける成功の鍵は、何よりもまず確実な資金計画にあります。
土地の価格だけでなく、建物本体、そして見落としがちな諸費用やオプション費用まで含めた総額を正確に把握することが重要です。
総予算から逆算して土地代を決め、建物や諸費用に十分な予算を確保する計画を立てましょう。
さらに、住宅ローンの事前審査を済ませておくことで、理想の土地が現れた際にスムーズに購入へと進むことができます。
焦らず、計画的に進めることが、後悔のない理想の家づくりへと繋がります。