2025年11月22日

新耐震基準と耐震等級とは?地震に強い建物の見分け方

地震が多い日本において、住まいの安全性は多くの人が関心を持つテーマです。
特に、建物の構造や強度に関する基準は、万が一の際に家族の命を守る上で非常に重要視されます。
建物がどれほどの地震に耐えられるのか、その性能を示す基準や等級について理解を深めることは、安心できる住まい選びの第一歩となるでしょう。
ここでは、日本の建築における耐震基準の変遷と、建物の揺れへの強さを示す等級について解説します。

 

新耐震基準とはどのような基準か

 

 

1981年6月以降の建築基準

 

 

昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認申請が受理され、建築許可を受けた建物に適用される、耐震設計における法的な節目となる基準です。
この日付以降に建築確認を受けた建物は、この新しい基準に沿って設計・建築されています。

 

 

旧耐震基準との性能差

 

 

旧耐震基準(1981年5月31日以前)では震度5強程度の地震で倒壊しないことが求められていました。
新耐震基準では、震度6強から震度7といった、より大規模で破壊的な地震に対しても、人命保護を最優先に、建物の倒壊・崩壊を防ぐことが義務付けられています。
この基準の変更は、過去の地震災害の教訓を活かし、建物の安全性を大幅に向上させることを目的としています。

 

 

地震時の人命保護を最優先

 

 

新耐震基準が最も重視するのは、地震発生時の人命の安全確保です。
建物が倒壊・崩壊しないことで、居住者が安全に避難できる時間的猶予を生み出すことを重視しています。
これは、単に建物そのものを守るだけでなく、そこに住む人々の命を守るという、より実践的な安全思想に基づいています。

 

 

建物の耐震等級の意味と種類

 

 

揺れへの強さを段階で示す

 

 

建物の耐震等級は、地震の揺れに対する強さを段階的に示す指標であり、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって定められています。
この等級制度では、数字が大きいほど、より高い耐震性能を持つことを意味します。

 

 

耐震等級1は最低基準

 

 

耐震等級1は、建築基準法で定められた最低限の耐震性能を満たすレベルです。
数百年に一度程度発生しうる、震度6強~7程度の大規模地震に対しても、人命に関わる倒壊・崩壊はしないという基準であり、多くの一般的な住宅で採用されています。
これは、日本で暮らす上で最低限必要とされる安全性の確保を意味します。

 

 

耐震等級3は最高性能

 

 

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えうる、最高レベルの耐震性能を持つ等級です。
極めて稀な巨大地震や、複数の地震が連続した場合でも、建物の損傷を最小限に抑え、人命を守ることを目的としています。
その性能は、災害時の活動拠点となる消防署や警察署などと同等かそれ以上であり、極めて高い安心感を提供します。

 

 

新耐震基準における耐震性能の目安

 

 

震度6強7でも倒壊しない

 

 

新耐震基準に適合する建物は、震度6強から7の激しい揺れが発生しても、人命を守るために倒壊・崩壊しないことが求められます。
これは、居住者が安全に避難できる空間を確保できるレベルであり、旧耐震基準と比較して安全性が大幅に向上しています。
万が一の際にも、建物の損壊が軽微であれば、その後の生活再建も視野に入れやすくなります。

 

 

耐震等級による性能差

 

 

耐震等級が上がるほど、地震の力に対する建物の許容度が高まります。
耐震等級2は等級1の1.25倍、耐震等級3は1.5倍の地震力に耐えうる設計がなされており、より大きな地震動や繰り返し地震にも強い性能が期待でき、被害軽減効果が高まります。
これにより、地震発生後の建物の状態が大きく異なってきます。

 

 

2000年以降はさらに強化

 

 

1995年の阪神・淡路大震災は、耐震基準の見直しを促す契機となりました。
特に2000年6月1日以降に建築確認を受けた木造住宅では、基礎形状や構造部材の接合部に関する規定がより厳格化され、耐震性能がさらに強化されています。
これにより、地震に対する建物の粘り強さや構造的な安定性が向上しました。

 

 

地震に強い建物を判断するポイント

 

 

新耐震基準への適合確認

 

 

建物の耐震性を判断する上で最も基本となるのは、新耐震基準(1981年6月1日以降の建築確認)に適合しているかを確認することです。
購入や建築を検討する際には、建築確認済証や重要事項説明書などで、建築確認年月日がこの基準日以降であることを確認しましょう。
これが安全性を判断する最低限のラインとなります。

 

 

高い耐震等級の選択

 

 

さらに高い安全性を求めるのであれば、耐震等級2や耐震等級3の建物を選ぶことを検討すると良いでしょう。
これらの等級を持つ建物は、地震発生時のリスクをより低減し、建物の被害を最小限に抑えることが期待できます。
より安心できる住まい選びのために、これらの選択肢も考慮することが重要です。

 

 

建築年代による判断

 

 

建物の建築年代は、耐震性能を判断する上での目安となります。
新耐震基準が施行された1981年以降の建物は安全性が確保されていますが、特に1995年の大震災以降、2000年以降に建築された建物は、構造計算や部材の仕様において、さらなる耐震性能の向上が図られている傾向にあります。

 

 

まとめ

 

 

地震が多い日本で安心して暮らすためには、建物の耐震性に関する理解が不可欠です。
1981年6月1日施行の新耐震基準は、震度6強~7クラスの地震でも倒壊・崩壊しないことを目指し、人命保護を最優先としています。
建物の揺れへの強さを示す耐震等級は、最低基準の等級1から最高性能の等級3まであり、より高い安全性を求める選択肢となります。
2000年以降の建築基準の強化や、建築年代の確認も、地震に強い建物を判断する上で役立ちます。
これらの基準や等級を理解し、ご自身のニーズに合った住まいを選ぶことが、将来にわたる安心につながるでしょう。

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