老朽化した住宅、変化する家族構成…今の住まいへの不満を抱え、建て替えを検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、莫大な費用と複雑な手順に、どこから手を付けて良いか迷ってしまうのも事実です。
今回は、建て替えにかかる費用や手順、リフォームとの比較を分かりやすくご紹介します。
具体的な注意点や費用を抑える方法もあわせて解説しますので、計画の参考にしてください。

 

家を建て直す費用

 

解体費用とその目安

 

建て替えの最初の費用は解体費用です。
建物の構造によって費用は大きく変動します。
木造の場合、坪あたり6万円～8万円程度が目安ですが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造ではさらに高額になります。
その他、擁壁の撤去や大型機材の搬入が困難な場合なども費用に影響します。

 

新築費用とその内訳

 

新築費用は、建物の本体価格、付帯工事費、諸費用から構成されます。
本体価格は、延床面積、構造（木造、鉄骨造、RC造など）、設備のグレード、使用する建材などによって大きく異なります。
坪単価で概算することが一般的で、全国平均では80万円前後ですが、平屋は2階建てより高くなる傾向があります。
付帯工事費は、電気・ガス・水道などの工事費で、本体価格の20～30％程度を見込んでおきましょう。
諸費用には、住宅ローン関連費用、登記費用、税金、火災保険料などがあり、本体価格の5％程度が目安です。

 

諸費用と合計金額

 

諸費用は、登記費用（建物滅失登記、建物表題登記、所有権保存登記など）、各種税金（登録免許税、印紙税、不動産取得税など）、住宅ローン関連費用（事務手数料、保証料など）、火災保険料、地鎮祭・上棟式費用、引越し費用など、多岐に渡ります。
これらの費用を合計すると、数百万円から数千万円に上るケースもあります。
新築費用と諸費用を合計した金額が、建て替えにかかる総費用となります。

 

費用を抑えるための工夫

 

費用を抑えるためには、いくつかの工夫があります。
まず、国や自治体から提供されている補助金・助成金を活用しましょう。
耐震性向上のための補助金や、省エネルギー住宅に対する補助金などが存在します。
また、家の形状をシンプルにすることで、建築コストを抑えることも可能です。
さらに、不要な家具や家電を処分したり、引っ越し時期を調整したりすることで、引越し費用や仮住まい費用を節約できます。

 

家を建て直す手順と注意点

 

計画段階と設計

 

建て替えの計画は、まず家族で話し合い、建て替えの目的や要望を明確にすることから始めましょう。
その後、予算を決め、住宅ローンを利用する場合は事前審査を受けましょう。
プランや見積もりを取り、比較検討し、最適な会社を選びます。
敷地調査を行い、法規制や周辺環境を確認することも重要です。

 

解体工事と注意点

 

解体工事は、建築会社に依頼するのが一般的です。
工事中は近隣住民への配慮が不可欠です。
また、解体前にガス・水道・電気などのライフラインの停止手続きを行い、重要書類や貴重品は事前に別の場所に移動させましょう。
解体後には「建物滅失登記」の手続きが必要です。

 

建築工事と工程管理

 

建築工事は、基礎工事、上棟、内装工事など、多くの工程があります。
工程表を確認し、定期的に現場に足を運び、進捗状況を確認しましょう。
疑問点や不安な点は、建築会社にすぐ相談することが大切です。

 

引渡しとアフターケア

 

建築工事が完了したら、竣工検査を行い、問題がないか確認します。
問題がなければ、引き渡しを受け、残りの費用を支払います。
「建物表題登記」などの登記手続きを行い、住宅ローンが実行されます。
その後、新居への引越しを行い、新しい生活が始まります。
建築会社によっては、一定期間のアフターケアサービスを提供しているので、内容を確認しておきましょう。

 

まとめ

 

家を建て直すには、解体費用、新築費用、諸費用など、多額の費用と時間が必要です。
しかし、適切な計画と準備、そして建築会社との綿密な連携によって、費用を抑え、スムーズな建て替えを実現できます。
国や自治体の補助金制度の活用、シンプルな設計、計画的な引っ越しなど、費用を抑えるための工夫も検討しましょう。
建て替えは、単なる家の更新ではなく、将来を見据えた大きなライフプランの一部です。
この記事が、皆様の建て替え計画の一助となれば幸いです。